ニューヨークの病院に新生児として置き去りにされてから25年。ジャクリーン・フロストは逆境をはねのけ、たくましく生きる若き女性に成長した。友人も家族もほとんどいないが、得意とする仕事があり、ついに大きなチャンスが訪れる。上司に抜擢され、ヴォーン・プロフェッショナル・コンサルティングのCEOに自らのアイデアをプレゼンすることになった彼女は、ついに大物たちと渡り合えると胸を躍らせる。 ワイルダー・ヴォーンは、問題を抱えたセレブやアスリート、政治家など、金を払ってでも厄介事を片付けたい者たちのイメージ修復を手がけるコンサルティング会社のCEO。ある取締役が自部署のジャクリーンという優秀な女性のことを何度も口にするうち、ついに彼女に大口顧客のプレゼンをさせてみる気になる。もっと早く承諾すればよかったと彼は思う。 ジャクリーン・フロストがオフィスに入ってきた瞬間、彼は彼女が特別だと悟る。一度手を握っただけで、南の領域の妖精族すべての女王に仕える王子でもあるこのCEOは、長年探し続けた運命の相手をようやく見つける。問題は、彼女が自分が妖精族だと知らないことだ。 双子の兄が人間たちを見下す嫌な奴のように支配するオフィスへ緊急会議に呼ばれたラファティ・ヴォーンは、兄が先に運命の相手を見つけたことにすぐさま嫉妬する。そして彼女が入室し、名乗ったときに手が触れた瞬間、彼女が自分の運命の相手でもあることが明らかになる。 運命は厄介ないたずらを仕掛けていた。兄弟は次の一手を早く決めねばならない。十代の頃から仲が悪く、穏やかに食事を共にしたことなどない二人が、ましてや運命の相手を共有するなどありえない。どちらかに絆を断ち切らせて一人で彼女を手に入れるのか、それとも協力するのか。