蘭若寺の大木の幹には、精気を貪ることに飢えた老妖が棲んでいる。艶やかな女鬼たちは、彼女が旅人へと伸ばす舌。夜ごと夜ごと、旅人は陽気を吸い尽くされ、空っぽの殻だけが残る。そして、あの書生が足を踏み入れた。